本日より青葉区S様邸の外壁及び屋根塗装を着工いたします。
インターネットよりお問い合わせいただき、ご契約をいただきました。
ご期待に答えられるよう、精魂込めて塗装いたします!
お任せくださいませ。
高級感のある立派なお家ですね。
足場架設
しっかりメッシュ養生をして、近隣の方々のご迷惑にならないよう気を引き締めて
施工してまいりましょう!
それでは家のチェックをしていきましょう。
それほど大きなひび割れはありませんが、点々とある感じですね。
屋根全体に苔が付いています。
割れも数箇所ありました。 棟押さえの釘も所々出ています。
出来る限り補修していきましょう。
破風板や幕板も大分色が焼けてかなりチョーキング(塗膜が劣化してチョークのような粉が出ている状態)
しているようです。
幕板のシーリングもすっかり無くなってしまっていますね。
それでは高圧洗浄を行います。
屋根を洗浄するときは、洗浄機の圧力を上げて洗浄してきます。
100㌔~150㌔ほどの圧力で調整し、
後は吹き付けガンの距離を近づけたり離したりしながら調整しながら洗浄します。
幕板のチョーキングもこのとおり落ちていきます。
ただ、あまり調子に乗って近づけ過ぎると、素材そのものを
痛めてしまうことがあるので、気をつけましょう。
高圧で洗浄することですっかり苔が落ちました。
これだけ落とせば大丈夫です。
屋根塗装で一番大切な作業がこの洗浄だと私は思っています。
ここが甘いと、塗膜剥離などの一番の原因となると考えます。
幕板ケレン作業
グラインダーを使用して丹念に研磨していきます。
ケレン前 ケレン後
表面のチョーキングが綺麗に取れていますね。
各種シーリング処理を行ないます。
まずはカッターで断面をこのように、斜めにカットし、シーリングの接着面をより多く確保いたします。
少し手間の掛かる作業なのですが、こうした一手間がよりシーリングを長持ちさせてくれます。
既存のシールも痛んでいる部分は極力撤去します。
養生テープを貼ります。
プライマー(シーリング用下塗り材)を塗布していきます。
シーリングを充填しヘラにて整えて仕上げます。
テープを剥がして完了です。
続いて外壁のシーリングを行ないます。
このようなひび割れをシーリング処理していきます。
コンマ0.5ミリ程度のひび割れです。
シーリングをこのまますり込む方法もありなのですが、より強く補強するために
あえてVカット工法をいたしました。
このようにひび割れをあえてカットし広げることで、シーリングをより深くまで充填することができ、
強化されます。
プライマーを塗布していきます。
シーリングを充填したいきます。
より奥のほうまで充填するために、5ミリずつほど移動していきながら、少づつ少しづつ
ゆっくりと圧力をかけながら充填していきます。
これが結構地道な作業なんです。
翌日
前日に充填したシーリングの部分にさらに補修をかけていきます。
シーリングを打ったままだと、ミミズ腫れのような後が出来てしまい最終的な美観に影響がでるため
既存の外壁の模様と調和させるために、ある工作を手掛けていきます。
それをこのようになっているところに・・・・・
手作業にて盛り付けていきます。
吹き付けで模様を付ける方法もあるのですが、吹きつけですと模様の上に更に模様が乗る形に
なってしまい、全体的に盛り上がったような仕上がりになってしまうので、大変なのですが、ここはあえて
手作業にて行ないました。
指でぼかしながら・・・
こんな感じになりました。
この上からしっかりと塗装すれば、かなり目立たなくなると思います。
仕上がりが楽しみですね。
最終の仕上がり
外壁養生作業
外壁を塗装するために養生作業をしていきます。
窓枠廻りをこのようにビニールで丁寧に囲っていきます。
養生は塗らないところを汚さないためのものですが、
もう一つの役割として、しっかりとした見切りを作るといった目的もあります。
例えば下の写真のように
まっすぐにラインを作り、外壁とサッシ枠などの見切りのラインを綺麗に作り出す目的もあります。
このラインをいかに綺麗に出すかが、職人の技術となります。
また、通常はガムテープでラインを出すのが当たり前ですが、私はこのように、マスキングテープ(ピンクの部分)でラインを出します。
こうすることで、より鮮明なラインを出すことができ、大変綺麗な仕上がりとなります。
玄関廻りなどは人の出入りが多いので、滑り止め作用のついたビニールで養生することで、
安全にも考慮するよう心がけています。
軒天(上げ裏天井)の塗装
養生が終わりましたので、軒天の塗装を行ないます。
まずは1回目・・
続いて2回目を塗装して完了です。
一部痛みの酷い部分があり、ボード自体がフカフカになっていたので、そのまま塗装をしてもうまく塗料がなじまず、剥離を起こす心配があったので、下地を作るべく2液型のエポキシ樹脂を数回塗布して、しっかりと下地を固めます。
塗布前 塗布後
最初は白くパサパサしていた状態でしたが、5回目でようやくここまで下地ができました。
乾いた状態で、黄色くなっているのが下地の吸いこみが止まった状態です。
塗装をして完成です。
綺麗になりましたね・・・
外壁下塗り
この度はお客様のご要望により、アレス弾性ホルダー防水型を下塗りとして使用します。
この材料は通常のフィラーと違い、粘度が高く追従性に優れ、厚塗り工法(多孔質ローラー使用)
をすることで、ひび割れなどをカバーできる優れものです。
希釈率を低めに設定し塗装いたします。
まずは、先日ひび割れ補修したところを部分的により厚塗りをするために、部分塗装を
しておきましょう。
部分的に2回厚付けをすることで、よりひび割れを防御するとともに、
シーリング補修の跡をぼかす目的であります。
それでは全体的に下塗りをしていきましょう!
多孔質ローラーの塗装は非常に技術のいるローラー工法です。
材料の粘度調整から手際の良さ、塗装ムラを見極める目 ローラー工法の基本の全てを
確実かつスピーディにこなしていかないと、ムラになってしまい残念な仕上がりになってしまうといった
とても難しい塗装方法です。
まずは、全体的に材料を配ります。
縦横にムラを切って材料を平均にならしていきます。
全体が平均的になじんだら、縦にならしていきます。
最終的にはローラーを下から上にならしていくことで、(綺麗に模様が立つ)
仕上がっていきます。
簡単そうに見えますが、これが結構難しいのです。
とこんな感じです。
左側が普通のウールローラー(平塗り工法)
右側が多孔質ローラーマスチック工法(厚塗り)
写真で見ても、その厚さが分かります。
全体が仕上がりました。
気が付けば結構な缶数を塗っていました。
厚塗り工法の場合、平塗り工法と比べて倍以上の缶数を使用いたします。
単純に倍以上の塗膜が付くことになりますね。
外壁中塗り
上塗り材は関西ペイントのアクアシリコンACⅡを使用いたします。
アクアシリコンACⅡは水性シリコン材としてはかなり歴史あり定評のある塗料です。
低汚染高光沢水性マイクロ反応型シリコンであり、非常に艶もちがよく
耐候性のある塗料です。
計りを使って3%ほど希釈します。
それでは塗装いたしましょう!
下塗りの際に張ってあったテープを剥がします。
下塗りは厚塗り工法のため、こうして捨てテープをすることで
仕上げの見切りがより綺麗になります。
剥がしたあとのピンクのテープのラインが仕上げのラインとなります。
下塗りも仕上げ塗りも同じテープで仕上げてしまうと、仕上がりのラインが
ガタガタになってしまうためですね。
細かいことですが、こうした作業も非常に大切なことです。
続いて仕上げをしていきましょう!
中塗りと同じように一つ一つ丁寧に仕上げていきましょう。
細かいところは刷毛を使って塗っていきます。
以上で外壁の塗装は完了です。
続いて部分塗装を行ないましょう!
外壁が完了しましたので、幕板や破風板などの部分塗装を手掛けていきましょう。
シーラー塗布
幕板などに下塗りをしていきます。
ケイカル板などには主にシーラーを塗布いたします。
より密着させることを重視して、2液型エポキシ樹脂系シーラーを塗布いたしました。
塗装前 塗装後
透明なものなので、光って見えます。
破風板も塗りましょう。
痛みが酷いのでもう一回塗布いたしました。
塗装前 塗装後
数回塗るか塗らないかの判断は、乾燥したときに、ある程度の艶が出ているかどうかで判断します。
下地をしっかりと作ることで、仕上げの状態が決まってきます。
まずは、その素材にしっかりと密着させることが一番大事なことであります。
素材を見極め、状態を見極め、そしてどのような下地材を用いるか?
この判断が非常に大切なことですね。
切妻の破風板の上部の隙間が空いていたので、シーリングしちゃいましょう。
鉄部さび止め
まずは、ペーパーヤスリで目荒らし及び、錆びの出ているところは
錆びを落としましょう!
エポキシ系のさび止めを塗布いたしました。
近年はすっかりエポキシ系のさび止めが主流となりました。
やはり密着はエポキシですね。
私は好んで主に白さび止め塗料を使用いたします。
幕板塗装
刷毛で線を引き、ローラーで仕上げていきます。
すごい数の幕板なので、線引き(職人的技法でダメ込みといいます。)
が非常に根気のいる作業です。
ちょっとでも気を抜くと、線が歪んでしまうので、非常に集中力のいる作業です。
このダメ込みという作業は、とても技術のいる作業であり、職人にの腕に非常に左右される作業の一つです。
一級塗装の試験などでも、とても重視される技術の一つであり
私はこのダメ込みという作業には本当ににこだわりを持っております。
ここにこだわらなくなったら、私は塗装職人をやめます!
と、いうぐらい私にとっては大切な技術のひとつなのです。
幕板中塗り 仕上げ
中塗り~上塗りと仕上げることで、このように色艶が変わります。
いい仕上がりですね。
その他部分塗装
破風板 雨樋
霧除け フード
換気フード エアコンカバー
勝手口ドア シャッターBOX
部分塗装がほぼ、完了いたしました。
フード・エアコンカバー・勝手口・シャッターBOXなどはサービス塗装です。
屋根塗装
それでは屋根塗装に入りましょう!
まずは、下地処理を行なっていきます。
所々棟押さえの釘が浮き、少し浮き上がっている箇所がありましたので、
補修していきます。
釘があまり効かない感じだったので、少し場所をずらしてステンレスビスを打ち込みました。
空いた釘穴はシーリング処理を施します。
補修前 補修後
補修前はトタンがかなり浮いていたのですが、新しくビス打ちしたことで大分押さえられたました。
これで安心ですね。
その他のところは釘が効いたので、そのまま打ち込みました。
この釘の頭は長い年月の中で、強風などにより少しづつ浮いてきてしまうようです。
これを少しでも押さえていきたいと考え、私はこの釘の頭にお団子状にシーリングを盛ります。
こんな感じですね。
これで釘が浮いてくることはないと思います。
些細なこだわりの作業なのですが、これが結構大変なんです。
何十箇所とありますからね。
続いて割れた箇所の補修を行ないます。
幸い破片があったので、接着します。
強力ボンドをこのように点止めで接着していきます。
割れた縁にボンドを入れてしまうと、そこが塞がってしまい水の流れが確保できなくなります。
そのため、直接割れたところにはボンド塗らずに、点止めすることで水の流れを確保するのです。
その後ひび割れ部分にシーリングを刷り込んでいきます。
こうすることで、破片は接着され尚且つ中は空洞になっているため、湿気や水の流れを
確保できるのです。
続いてタスペーサーを挿入していきましょう!
通常屋根というのは,写真で解るとおり
縦の目地と横の目地があります。
この隙間があることで、適度に家の湿気などを
逃がしてくれる役目があります。
本来屋根というのはこの縦の隙間と横の隙間が開いていることでこの通気が
保たれているのです。
ですが、塗装により塗膜をつけることで、この隙間が
埋まってしまい、逆に雨漏りや湿気による野路板(屋根そのものの板)
を腐らせてしまうといった、問題が多く発生いたしました。
なぜ、雨漏りにつながってしまうかといいますと、縦の目地というのは
塗装では比較的埋まりにくいのですが、横の目地が埋まりやすいため
縦の目地から入り込んだ水が、本来なら横の目地から流れていくのですが
ここで流れることができずに、逆流していってしまい、
雨漏りを起こすのです。
では、縦も横も全て埋めてしまえばいいのか?
というと、今度は雨自体は入らないのですが、湿気が抜けなく
野路板が腐ってしまうといったことになりやすいのです。
そこで私は、この隙間を確保するために写真のような、ポリカーボ製の
タスペーサーというクサビを入れています。
こうすることで、塗装をしても、適度に隙間が確保され
従来の通気や水の流れを確保することができるのです。
少し手間の掛かる作業ですが、これは非常に大切な作業の一つ
であります。
挿入前 挿入後
写真のように隙間が確保できたことがわかります。
何もせずに塗装をすると、この隙間が埋まってしまうのです。
写真のように、縦の目地に対して両サイドに2箇所差し込みます。
こうすることで、縦から入った水が、溜まることなく流れていってくれるのです。
錆止めを塗布しましょう!
まずは、サンドペーパーでよく目荒らしをします。
最近のトタン板はもともと焼きつけの塗装が施されいてかなり強くなっていますので、
できればなるべくその塗膜もいかしていきたいので、あまり荒いペーパーを使用せずに
軽く表面をこすってあげる程度でいいかと思います。
シーラー塗布
シーラーを塗布いたします。
2液性なので主剤と硬化剤を混合いたします。
デジタル計測器でしっかりと計測することも大切ですね。
今回は、お客様のご要望により遮熱塗装をするため、
専用のシーラーを塗布いたします。
専用のホワイトシーラーを塗布することにより、より遮熱性能が上がります。
明日は中塗りをいたします。
中塗り塗装
中塗り剤を作ります。
こちらも2液性なので、計測し作成いたします。
シーラー乾燥後、中塗りを塗布いたします。
丁寧にしっかりと塗装いたしましょう!
細部は小さめのローラーや刷毛を使って塗っていきます。
明日は仕上げを行ないます。
仕上げ塗装
それでは仕上げていきましょう!
タスペーサーを入れたことで、しっかり隙間が確保されているのが
わかりますね。
屋根塗装が完了いたしました。
サーービス塗装
ひととおり家本体の塗装は完了いたしました。
しかし・・「いのは」の塗装はここからが違います!
→
まず、玄関の電気が写真(左)のようにビスが緩んで傾いていたのを
直しました。
後、塗装を施します。
ガラスを外して、一枚一枚・・水で洗います。
ピカピカになりました。
塗装後、ガラスを割れないように気をつけながら・・
はめていきます。
見てください!
この輝きを・・
ちょっとしたサービスなんですが、この時が一番楽しい時ですね。
外灯も綺麗にしちゃいましょう!
塗装を施し・・
見違えますね・・・
続いてポスト
最後は門扉
完成です。
ちなみに門扉とポストは黒でも少しトーンを落とすべく調色して
塗装いたしました。
家全体の幕板などが濃い目の黒茶で仕上げてあるため、
すべてを同じ色にしてしまうと、やや重たくなってしまうと感じたので、
あえてトーンを落としました。
サービスだからとただ塗ってしまっては、せっかくの家全体の雰囲気が
台無しになってしまいますからね。
サービスといえども、家全体の雰囲気を大事にしたいですから・・
青空の良く似合う素晴らしいお家になりました。
思えば、インターネットよりお問い合わせをいただき、
初めてお会いした際に、塗料のことや施工方法のことなどについて
いろいろと問答させていただいたことが今となってはなつかしくさえ思えます。
はじめは正直言いまして、S様のご期待にお応えできるものかと不安な気持ちの方が多かったように思います。
しかし、いざ着工してからは、S様のご期待に応えられるとかどうか?
ではなく、預かったこの家をどう長持ちさせるために施工するか?
だけに集中し、施工させていただきました。
その結果、このようなお言葉をいただけたことに、職人として
本当にうれしいことだとつくづく感じさせていただきました。
なによりもうれしかったS様の言葉で
「4年間探したかいがあったよ」
といわれた時は、なんとも言えない安堵感と誇りを感じました。
お客様より貴重なお言葉をいただきましたので
ぜひ、ご紹介させていただきたいと思います。
貴重なお言葉ありがとうございました。
私はこのお客様からのお言葉をいただけるときが
本当にうれしい瞬間です。
一軒の家を仕上げていく間には、さまざまな問題がいろいろと
おきます。
その一つ一つをクリヤーしていきながら、
最後にこの貴重なお言葉をいただいたとき、
それまでのことが、すべて報われる思いがするのです。
しかし、塗装というのはこれで終わりではなく、これからの10年間?
の長いお付き合いが今、始まったのだと思います。
今後経過を見ていきながら、何かありましたら
職人として、即!
お伺いさせていただきますので、どうぞご安心くださいませ。
この度は、どうもありがとうございました!
皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします。
「いのは」ではこのように、一つ一つの作業を精魂込めて施工させていただいております。
ただ、塗ってしまっても、正直・・それなりに仕上がります。
しかし、それではいけないのです!
下地の状況や水の廻り方などをしっかりと考え、どような処理を施し、どのような塗料や
塗装方法を施していくか?
真剣に考え、悩みながら答えを引き出し、施工していきます。
私は長くこの仕事をすればするほど、難しく・・
また、こだわりが強くなっていきます。
考えてみると20日ほどある工事期間の半分は下地処理をしているような感じですね。
10日下地処理~10日塗装のような感じで考えますと、下地処理の手を抜けば
半分の期間で終わってしまうことになりますね。
この下地処理にどれだけこだわれるか?
このことが塗装において非常に大切なことなのだと感じております。
「いのは」の塗装はそういった意味では、他の業者様よりは少し時間がかかることが多いですね。
ただ、大切なことは・・
その家出来るだけ長持ちし、より綺麗な状態が長く続くこと・・
そのために私は職人として、誠意あるこだわりの仕事をしていきたい・・
ただそれだけです。
店主 濱田